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AIでマンガキャラの顔を量産する新手法がXで話題|テンプレ+プロンプトで多角度の顔を自動生成

マンガキャラクターの「顔」を描くのは、プロでも初心者でも永遠の課題だ。正面・斜め・振り向き……角度が変わるたびに崩れてしまう悩みは、多くのマンガ描きが抱えている。そこにAIを組み合わせた新しいアプローチが、Xで大きな反響を呼んでいる。

汎用テンプレ+プロンプトで「何十通りもの顔」を生成する手法

エンジニア・クリエイターのろてじん氏(@rotejin)がXに投稿した方法が話題になっている。内容はシンプルで、自キャラクターの顔生成用テンプレート画像と専用プロンプトをGitHubで公開し、AIに読み込ませることで、さまざまな角度のキャラ顔を一気に生成できるというものだ。

投稿には20パターン以上の顔バリエーションが並ぶ画像が添えられており、「ぐるぐる(GruGru)は少し手間がかかるのでこれを使って自キャラの色々な角度のお顔を作るだけで可愛い楽しいですよ」とのコメントとともに拡散された。

公開されているのは以下の2ファイルだ:

  • 顔生成用テンプレート画像.png:AIに読み込ませるベースとなる素体・ガイド画像
  • 顔生成用プロンプト.txt:生成指示をまとめたテキストファイル

このテンプレとプロンプトを組み合わせることで、同一キャラの多方向の顔を短時間で量産できる仕組みになっている。マンガの表情差分やキャラクターシートの作成に使えるアプローチとして、創作者の間で注目を集めている。

さらに進化:トマリトーク=「動くPNGTuber」へ

ろてじん氏の取り組みはこれだけにとどまらない。同氏が開発した「トマリトーク」は、AIで作成したキャラクター(トマリちゃん)がリアルタイムで会話・口パクできるアバターシステムだ。

「ぐるぐるトマリちゃんがリアルタイムにお話しできるアバターに。Live2Dとも3Dモデルとも一味違う表現になったかな。これが真の『動くPNGTuber』なのでは?笑」

アニメ風のイラストがそのまま口パクしながら話す様子は、従来のLive2DやVRMとは異なる独特の質感を持つ。ブラウザ上で動作するため、専用ソフトのインストールも不要だ。

ろてじん氏のAI×マンガ制作ツール群

ろてじん氏はGitHubで複数の関連ツールを継続的に公開している。

ツール名 概要
tomari-guruguru テンプレ+プロンプトでキャラ顔を多角度生成
MotionPNGTuber 動画ループで髪揺れなどを表現できるリアルタイム口パクツール(PNGTuber以上Live2D未満)
EasyPNGTuber AI表情差分からPNGTuber用4パターン画像を自動生成
トマリトーク ブラウザ上で動作するリアルタイム会話アバター

これらはいずれも「マンガ・イラストをそのまま動かしたい」「キャラクターとインタラクションしたい」というニーズに応えるもので、AIを活用した創作支援ツールの最前線を走っている。

なぜこの手法がマンガ制作に刺さるのか

マンガを描く上で、キャラクターの「顔の角度ブレ」は長年の課題だった。ページをめくるたびに顔が違って見える——いわゆる「キャラ崩れ」は、プロ作家でも悩む問題だ。

今回のアプローチが面白いのは、AIを「補助ツール」として使い、自分のキャラを維持したまま量産する点にある。AIが全部描くのではなく、自分のキャラをベースにした生成支援であることが、創作者のコントロール感を損なわない。

テンプレート画像にキャラの特徴を落とし込み、プロンプトで角度や表情を指定する——これはトレスや模写の延長として直感的に理解できる手法だ。デジタル作画環境があれば、すぐに試せる敷居の低さも拡散の理由のひとつだろう。

iPadとApple Pencilで試す場合の活用イメージ

この手法はパソコンだけでなく、iPadでの作業とも相性がいい。AIで生成した顔を参考画像として読み込み、Apple Pencilでなぞりながら自分の線に落とし込む——というワークフローが考えられる。

ClIP STUDIO PAINTのレイヤー構造を活かして、AI生成顔を下書きとして使い、上から自分の線を重ねる使い方も実践者が増えている。

マンガ制作におけるAI活用の流れ

ここ数年で、マンガ・イラスト制作とAIの関係は急速に変化してきた。画像生成AI(Stable Diffusion・Midjourney等)の登場でまず話題になり、その後「自分のキャラを維持するための活用法」へと関心が移っている。

ろてじん氏のアプローチはその文脈で見ると、生成AIを「置き換え」ではなく「制作支援」として使うという方向性を体現している。テンプレート+プロンプトという再現性の高い手法を公開することで、他のクリエイターも同じ恩恵を受けられる形にしている点も評価できる。

VTuberやPNGTuber文化との融合も、この流れの延長線上にある。「自分のキャラが動いて話す」という体験は、マンガを描くことの延長として自然に受け入れられ始めている。

まとめ

  • ろてじん氏(@rotejin)がGitHubで公開した「顔生成テンプレ+プロンプト」がXで話題
  • 自キャラの多角度顔をAIで量産できる汎用手法
  • さらにリアルタイム会話アバター「トマリトーク」へと発展
  • MotionPNGTuber・EasyPNGTuberなど関連ツール群も継続公開中
  • AIを「置き換え」ではなく「支援ツール」として使う流れの象徴的事例

AIとマンガ制作の関係は、これからさらに多様な形で発展していくだろう。ろてじん氏のような実験的なアプローチが積み重なって、新しい創作文化が生まれていく様子は、今後も目が離せない。